探偵は吹雪の果てに (ハヤカワ文庫 JA)



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探偵は吹雪の果てに (ハヤカワ文庫 JA)
探偵は吹雪の果てに (ハヤカワ文庫 JA)

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おじさん達の恋

少し歳をとったなと思う自分をご用意ください。おじさんになりかけ、十分浸かってるかは関係なく。少々前に大好きだった人も無理やり特別に出演しながら読んででください。独り善がりの勘違いの方々でも結構です。喜んであまったるいロマンティックな世界へ浸っていくでしょう。本文の中で「俺」が代わってかっこいい役を演じてくれます。少々昔の「大好きな人」から「勘違いの気持ち悪い」の言われても自分を許せる本です。「ジジィ!気持ち悪い!」と言われても当分、平気にさせてくれそうです。内容は、探偵・ハードボイルドなんか気にしないでください。お願いします。
大好きだけど

東さんの小説を読むと、自分が札幌にいた頃を思い出す。だから、多少点が甘くなってしまうきらいがあるが、今回は「最高傑作」の謳い文句に、かなりの期待を持っていたので、あえてこの点数にする。裏切られた、という訳ではないのだけど。個人的には「消えた少年」がベストだと思う。次に「ひとりぼっち」が来る。本作は、ちょっと説明に不十分なところがあるように思うのだが、どうだろう。「俺」がわからない事は、そのまま「わからない」で終わってしまっていて、「そもそも、どうしてこの人は事件に介入したのだろう」とか、他にも、書いたらちょっと読めなくなってしまいそうな疑問が二、三残る。とは言え、「俺」があちらこちらで交わす、会話の可笑しさだったり、彼の独創的な主義

だったり、時間を経て変わったものだったりと、シリーズをずっと読み続けている人には、たまらない部分はしっかりと残っている。高田がもっと登場してくれたらなぁ、などと言うのは無理な話か。
みんな年とったね

ススキノシリーズの最新作は一言「年とった」ということ。別に映画「リーサルウェポン」のように年を自覚して家族愛に目覚めるわけではないのですが、物語の設定・背景も以前の作品とは一風変わっていて、このシリーズも「終わり?」なんて思ったりしてしまいました。まあ、でも作品はテンポもよく、満足できる作品と思います。
老いか?成熟か?

 これだけビッグネームになった作家が北海道にしがみついて小説を書き続けている、というコトに対して、これまでこの人は有形無形の、アタマのわるい意見を押し付けられたり、求められたりしてきたんだろ〜なぁ〜。「どうして東京にでないんですか?」、「北海道(札幌、あるいはススキノ)に対する思い入れを聞かせてください」などなど。
 

 そんなアズマさんの、「これが答えだよ」という公式ステートメントが発端になって、書かれているのが本作だと思う。いまだに官依存でぬくぬくとしてその日その日をすごす人間が住む土地。ぬるぬるの警官や土建屋など、北海道の地方に住んでいる人が読んだら「あ、これってうちのマチがモデルなのかしら?」と思うくらいのリアルなキャラ設定。

 45歳になった「俺」の孤軍奮闘とヤセ我慢はさらにエスカレートし、忘れられない人への、痛々しい思慕がいい塩梅にちりばめられていて、最後までイッキ読みさせてくれる。

 アズマ作品は一通り読んでいるつもりだけど、冒頭の献辞と、あとがきが付記されているのは本作が初めてではないかな?本人にとって思い入れの深い作品なのでは?と深読みしてしまいそうだが、、、。
 
老いを迎えた俺

ススキの探偵シリーズの最新作
「俺」は45歳になっており、昔ほどの無茶は出来なくなっているはずだが、
ちょっとしたもめ事で、入院する羽目に。

そこで偶然昔の年上の彼女に会い、ある用事を頼まれる・・・・

今回は今までと違い札幌ススキのから離れ、「斗己誕」と言う田舎町が舞台
です。

最後まで、主人公もそして我々読者もどんな事件に巻き込まれているのか
わからないまま話が進んでいきますが、間違いなくシリーズ最高傑作です。

そして、今までで一番せつないラブストーリーでもありました。
とにかくお奨めです。



早川書房
探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681))
消えた少年 (ハヤカワ文庫JA)
向う端にすわった男 (ハヤカワ文庫JA)
バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)
探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)